新入生にとっては極めて慌ただしい春も次第に落ち着き始め、昇降口から教室までの道のりを、頭を使うまでもなく足が勝手に辿るようになったころ。
 担任教師の口から、『実力考査』という言葉が発せられる。
 試験初日2週間前にもなると、教室の掲示板に日程・範囲がはり出され、生徒達は慌ててそれを書き写すのである。
 フィーがその敏捷さを最大限に活かして範囲を書き取ってきてくれて、ティニーは彼女のメモをゆっくりと写すだけで済んだ。
 大急ぎでメモを取ってきたため、時々本人にしか読めない文字が混じっていて、そのフォローをするために、フィーはずっとティニーの手元を眺めていた。
「――っていうか、数学範囲広いよね!?まだここまで行ってないじゃない」
 ちょうど、『数学:?P.35』と書いているところでそれを言われて、ティニーは改めて今書いたばかりの自分の文字を眺めた。
「そう…ね。でもきっと、今週中には終わるっていうことだと思うけれど…」
「それじゃ遅いわよ!土日は世界史暗記しなきゃならないんだから、数学とかはもっと早く終わらせてほしい!」
「…………」
 確かに、数学の苦手な(というより理系科目の苦手な)ティニーとしては、早めに範囲を終わらせて、ゆっくり勉強させてほしい。
 中学時代からどうしても数学という学問が苦手で、今の時点で既に判らない問題を山ほど抱えているティニーは、数学の教科書を捲って範囲を確認しながら、深いため息を吐くほかなかった。
(…どうしよう…)
 ティニーは内気が災いして、教師に質問するというのがなかなかできない。
 かといって、頼みの兄も試験前になって突然勉強しだすものだから、質問するのは悪い気がして言い出せない。
 ――ふと、フィーの兄。セティの顔が浮かんだ。
(お、教えて下さるって…本当かしら。セティ先輩って、数学得意かしら…)
 忙しく動いていた手が止まって、何やら考え出したティニーに気が付き、フィーはそういえばと切り出した。
「…ティニー、試験前は家来て勉強するって聞いたけど、週末来る?」
「あ、…ええと、邪魔にならなかったら…」
 ティニーは遠慮がちに頷く。
「もちろん、歓迎するわよ。第一、お兄ちゃんに毎日差し入れしてるのだって、それの報酬なんでしょ?招かないなんて契約違反じゃない」
「え?――あ、…あ、そうね」
 フィーに言われて、ようやくそのことを思い出す。
 平日は忙しいから、簡単なクッキーやパウンドケーキ、休日はお腹が空くだろうから、お弁当。試合の日は疲れているだろうから、デザート付き。
 毎日欠かすことなく差し入れをしているけれど、それが元々『教えて貰う報償』として成り立っているのだということを、すっかり忘れていた。
 …差し入れを持っていくと、セティは必ずコートを抜け出して会いに来て――正しくはお菓子を取りに来るのだけれど――くれるから、ティニーはそれが楽しみで仕方なくて、『毎日じゃなくていいよ』と言われながら、つい作っていってしまうのだ。
「日曜、来るでしょ?」
 確かめるようにフィーは言う。
「迷惑でなかったら」
「だから、いいってば。彼氏の家に遊びに来るのに、遠慮なんかいらないわよ」
 さらりと言ったフィーの台詞に、ティニーは仰天した。
「か、かかか彼氏って…っ!!!」
 フィーはきょとんとティニーの驚きっぷりを凝視した後、じとっと不審げな目で見た。
「――もしかして、違うの?」
「ちっ、違います!!そんなんじゃ」
 ティニーは林檎のように顔を真っ赤にして、ぶんぶんと首と両手を振る。
「嘘でしょ!?どこがどう違うの?」
 フィーの詰問に、ティニーは助けてと言わんばかりに真っ赤になって俯く。
「だだだって、…せ、セティ先輩は…私のことなんて、妹くらいにしか思っていないでしょ」
「――え?そんなことないと思うけど」
「あるのっ」
 ティニーは振り切るように、ガタンと立ち上がった。
 ガサガサと広げていた教科書や手帳を片づけて、鞄を持つ。
「わ、わたしっ、差し入れ持っていってきますっ!」
 そう叫んで、逃げるように去っていた。
 ――その大音声は教室内に響き渡り、
「今日もアツいね?」
 なんて冷やかされているのは、もしかしたらティニーの耳には入っていないのかもしれない。

 がたがたがたん、ばたん、と転ばないかと心配になってしまいそうなティニーの慌てぶりを見送って、フィーは皿のような目で呟いた。
「――となると、毎日あたしが家で聞かされているあの『のろけ』は、恋人同士のいちゃいちゃじゃなかったと言いたいわけ…?」
 呟いて…、ふと、我に返る。
 ―――ああ、むなしい。
 そんなことに突っ込んでいても虚しくなるだけだと気づき、フィーは自分も荷物をまとめた。
 …こういうイライラは、とっとと部活に行って思い切り身体を動かして、振り払ってしまうに限る。

 ―――その部活でさえも、今日で最後、明日からは試験休みである。





「…あ、セティ、『愛しのティニー』が来たよ。彼女待たせちゃ悪いでしょ」
 フェンス越しに見えたシルエットに、部活前の柔軟運動をしていたセリスはセティに呼びかけた。
 セティは慌てて身体を起こし、出入り口の方に小走りで向かいながらセリスに訂正する。
「だから、彼女じゃないって言ってるでしょう!」
「はいはい」
 毎日繰り返されるやりとりに、セリスは辟易して生返事を返すのみ。
 それを未練げに振り返りつつ、仕方なく無視してセティはティニーの方に向かう。
「…セティ先輩!」
 セティの姿をみとめるなり、条件反射のように柔らかく微笑むティニー。
 それを見た瞬間、先程までのこだわりなど一切吹き飛んでしまうのだ。
「また来てくれたんだ。ありがとう」
 ティニーの差し出す、チューリップ柄に紅いリボンの袋を受け取る。
「今日は?」
「レモンケーキですv」
 ティニーは嬉しそうにセティを見上げて言った。
「ありがと。後で美味しく戴くよ」
「はい。お召し上がり下さい」
 セティはちらっとコート内を振り返り、まだ部員が全員揃っていないのを確かめてから、再び向き直った。
「そういえば、そろそろ試験範囲は出された?」
「あ、はい。」
 ちょうど今日のことだったから、もしかしたら全学年一斉に公表されるのかもしれないと思った。
「どんな様子?」
「はい…あの、数学がとっても…とっても…」
 困ったようにもじもじしているティニーに、セティは苦笑した。
「数学苦手?」
「はい…。セティ先輩は…数学は得意ですか?」
 質問に、セティは少し考えるようにした。
「うーん…まあ、苦手とは言わない」
「――あ、ごめんなさい。セティ先輩は、苦手教科なんてありませんのね」
「いや、そんなことはないけど。……それじゃ、約束通り、日曜にでも家にくる?」
 話の核心を突いて、ティニーはぱっと顔を上げた。
「あのっ、ご迷惑じゃありませんか」
「それは誰の台詞だろうね。こんないいもの貰って置いて、それはないだろう」
 セティは苦笑いして少し腕を持ち上げ、手の中の袋を示す。
「フィーの部屋を片づけさせておくよ」
 さすがに自分の部屋というわけにはいかないだろう。――もちろん、セティは大歓迎だが…。
 セティの心中など考えもせず、ティニーは屈託無く微笑む。
「はいっ。フィーに、ごめんなさい、ありがとうって言って置いてくださいね」
「フィーにもいいことだから、いいんだよ。部屋は綺麗になるし、ティニーの勤勉な姿勢を見たら、少しくらいやる気がでるかも」
 ティニーはクスクスと笑った。――彼女は、フィーの勉強へのやる気のなさを知らないのに違いないと思う。
「また明日ね」
 また明日も差し入れをしろと言う意味ではなくて、純粋に明日も会いたいという意味だけれど、ティニーは違う意味に取っていた。
 こう言ってくれたのだから、期待に添えるように明日ももっと美味しいものを作ってこなければ、と、毎度燃えるティニー。こうして彼女の腕はどんどんと上達していくのである。
「はいっ、また明日」
 そんな彼女の笑顔は、差し入れのお菓子よりもずっとセティの疲れを癒すのだった。





 そうしてやってきた、日曜日。
 ティニーはいつもより一回り大きな袋を抱えて、シレジア宅へやってきた。
 今日はフィーもいるし、もしかしたら他にも誰かいるかもしれないと思い、ロールケーキを丸々一個持ってきたのである。
 幸いバス停が近かったので、家の門までは簡単にたどり着くことができたけれど、…そこからが大変だった。
(…フィ、フィー達のおうちって……大きい…)
 小さなティニーは、首をぐぐっと持ち上げて家の屋根までを一望に収める。
 白を貴重とした、いかにも『洋館』というかんじの巨大な家に、ティニーは後込みしていた。
(セティ先輩のお父様って…、な、なにしてらっしゃる方なのかしら…)
 ティニーはびくびくとそこに立ちすくんでいた。
 …そのままでいくと、日が暮れるまでそこにいたかもしれない。――が、幸い彼女に救いの手がさしのべられた。

「…ティニー、もう来てたのか。いらっしゃい」
「あっ、セティ先輩…」
 ティニーはハッとして顔を上げる。
 玄関のところから、セティが靴を引っかけながら出てきた。
「迎えに出ようと思ったんだけど、ちょっと間に合わなかったね」
「い、いえっ。あの、今ちょうど、来たところですから…」
 ティニーが首を振ると、セティは安堵したように微笑む。
「そう?よかった。…入って」
 セティに招かれて、長い玄関までの道のりをそそくさと付いていく。
 玄関を開けると、中は広いホールのようになっていて、美しい階段と敷かれた絨毯がまるでお城のようだった。
 ところどころに、絵画やオブジェなんかが飾ってある。
(…イシュタルおねえさまのお家みたい…)
 従姉のイシュタルが住んでいる、フリージ家の本家が、ちょうどこのくらいの広さと壮麗さを持っている。
 ティニーの家は所詮分家なので、一般人よりはずっと裕福だけれど、ここまでではなかった。
 もともとそんな雰囲気があるセティはともかくとして、ティニーの中でフィーの印象が一気に変わったのは言うまでもない。

 二階の手前にフィーの部屋があって、まだ片づけ途中のようなフィーがばたばたとティニーを迎え入れた。
 カーテンだとかベッドだとかは、ティニーが想像していたよりも女らしくて可愛い部屋だった。
 広いその部屋には、勉強机の他にお茶を飲むようなテーブルが置いてあって、3人はそこに勉強道具を広げる。
 ティニーからロールケーキを受け取ると、フィーは大きなお皿を出してきて切ったケーキを並べ、ペンを持ちながら片手でそれを口にしていた。
「いつも悪いね。まして試験前なのに…」
 フィーに「行儀悪いよ」と注意してから、セティはティニーの隣に座った。
「いいえ、そんな…」
「試験前くらい、無理しなくていいんだよ」
 実は、セティの所属するテニス部では近日大会があって、試験前にも関わらず――レギュラーや補欠に限って――部活が休みにならない。
 そうすると、やっぱり律儀なティニーはやめることができなくて、無理をしてでも欠かさず差し入れを作るんだろうと、セティは懸念していた。
「あ、でも…」
 セティに覗き込まれ、ほんのり頬を上気させて、ティニーは首を振る。
「でも…、急になくなっちゃうと、寂しいから…」
 本当は、セティに会えなくなるのが寂しいのだ。けれど、ティニーはそのあたりを曖昧にぼやかした。
 セティも的確に意味を取ったわけではないけれど、やっぱりまめに来てくれることがわかって、はにかんで視線を落とした。

(…うーーーーん…)
 ティニーの正面に座って、嫌々参考書に向かっていたフィーは、ちらりと二人の様子を窺ってぽりぽりと頭を掻く。
「…や、やっぱあたし、下行ってくる!」
 がたんと立ち上がる。
 恋人同士でないと言っていながら、明らかにいちゃいちゃされている――しかも兄と親友だ――のを見るのは、やはりいたたまれなかった。
「「え?」」
 二人がハッとしたようにフィーを見上げた。
「こ、こら、勉強…」
 セティが引き留めるのを振り切る。
「下でするからいいっ」
 ティニーが顔を紅くして、助けを求めるようにフィーを見つめていたけれど、フィーはあえてそれを無視することにした。
 フィーが去ってしまうのを困ったように見送って、セティとティニーはちらりと視線を合わせる。
「――え…、えっと…」
 ティニーは目元を紅くして俯いているし、自分も顔の表面がぼおっと紅いのがわかって、尚更照れが生じる。
「す、数学やろうか…」
「は、はいっ」
 気を取り直したように、二人は無理矢理ノートに向かった。
 ティニーは早速、昨夜挫折した問題をやり直し始め、セティはじっとそれを見ていた。

 ―――じーーっと、手元に視線が注がれていた。

「あ…あの……」
 視線を感じれば感じるほど、頭は混乱して数式が頭に入ってこないし、だんだんと手が震えてペンも動かなくなってくる。
「…え?」
 困り切ったティニーの声に、セティはハッと我に返った。
「せ…セティ先輩は、お勉強は…」
 苦し紛れに尋ねる。
「あ…ああ、そうだね。ごめん。…ティニーの手を見てると、目が離せなくなってしまって」
「え…っ」
 ティニーは思わず両手を隠すように握って、わたわたと身じろいだ。
(…かわいい…)
 セティは思わず、彼女の白魚のような手に自分の手を重ねる。柔らかなもち肌が、吸い付くように心地いい。
 ティニーがびくっと全身を強ばらせた。
「ティニー、明日も…また来てくれるの?」
「え?…あ、は、はい…」
「明日は月曜日だね」
「は、はい…あの、また待っていても…?」
「うん」
 ユグドラル学園の下校時間は学級の時間割によってまちまちである。
 月曜日と木曜日は、ティニーの放課はいつもより遅い。
 授業が終わる頃には部活は既に始まっていて、そう言う日は、ティニーはテニス部を外からずっと見学していた。
 休憩時間になるとセティがティニーのところにやってきて、ティニーからお菓子を受け取って一緒に食べる。食べ終わってまたコートに戻り、部活が終わると、もう暗いからと、ティニーを家まで送っていく。
 ――実は彼らにとって、なんとなくそういう習慣になっている月曜と木曜は、一番好きな曜日だったりする。いつもより、一緒にいられる時間が長いからだ。
 …が、それはお互い秘密にしていることだった。
「でも……差し入れなんて、無くてもいいよ」
「え…?」
 セティはティニーの右手を握って、自分の方へと引き寄せた。
「何もなくても…会いに来てくれるなら、それで…」
「―――……」
 セティの翠緑の瞳に見つめられて、ティニーはドキンと胸を高鳴らせた。
 セティは握った手を更に引くと、ティニーに近づいていく。
「ティニー…君のことが…」
 ぱちぱちと瞬くティニーの、桜色の唇に、そっと自分の唇を寄せていって―――、

「わすれものーっ!」

 ―――ばたん!

 突然開かれた扉。
 セティとティニーは、互いの唇が触れるかどうかの微妙な体勢のまま硬直して、視線だけをおそるおそる扉の方に動かした。
 まさかそんなことになっているとは思わず、無遠慮に――だって自分の部屋なのだから――扉を開けたフィーは、その光景を目にしてカチンと石化した。

「…………」
「…………」
「…………」
 しばしの、沈黙。

「あっ、いやっ、これは…」
 最初に我に返ったセティが、慌ててティニーの手を離し、椅子から落ちんばかりの勢いで身体を離す。
 ティニーは今だ呆然と、瞠目している。
 …そして、ようやく頭の回転が戻ってきたフィーは、大声で叫んだのだ。

「――お、お兄ちゃんがあたしの部屋でティニー襲ってるーーーっっ!!!」

 フィーの大声が、家中に響き渡る―――不幸にも、洋館の廊下は音が響きやすかった。
「ち、違う!襲ってないっ!!」
 耳まで炎の如く燃え上がらせたセティの弁解も、虚しく空を切るだけ。
 フィーの耳には…そして、階下でフィーの発言を聞いた父母の耳には、セティの言葉は届いていなかった。
 
 比較的放任主義の両親だから、今すぐ問いただしに来るようなことは無かったが――、あとでしっかり訂正しなければと、セティは心に誓った。





「…本当に、送らなくて大丈夫かい?」
 辺りが薄暗くなってきたころ、ティニーはシレジア宅を出た。
 門まで見送りに出てきたセティは、心配げに問う。
 けれど、強引に「送っていく」と言えないのが悲しいところ。――なぜって、「送り狼の方が怖い」と言われては言い返せないからだ。
「はい、平気です。バスですぐですもの」
 あれから気を取り直し、真剣に――フィーの監視の前で――数学に取りかかった。
 どうやらティニーが怒っている様子はなく、至って温厚だけれど――それでいくと、ようやく勇気を振り絞って告白しようとしたのに、邪魔をされたばかりかティニーに通じてもいなかったのではという可能性が浮上してくる。
 それはそれで、悲しく虚しい想いもあった。
 キスの直前まで行ったのだから、気付いていてしかるべきだと思うけれど…、いかにも鈍感そうなティニーを見ていると、まさかと思うが、もしかしたら気付いていないかも…とも考えてしまう。
「あの…ティニー、」 一応フォローを入れておこうかと思い、セティは口を開く。「…昼間のことだけど…」
「………」
 ティニーは、その丸い瞳でセティを見上げた。
(…う…っ)
 弁解しようとしていた口が、思わず詰まる。
 ――謝るべきなんだろうか。あの件については自然消滅ということにしておいたほうがいいのでは?…第一、謝ったところでどうなるんだ。
 ぐるぐると考え込んだセティの、薄手のセーターの袖を、ティニーの細い指がきゅっと摘んだ。
「………?」
 セティは反射的にそれを見下ろした。
 ティニーはしばらくそうしていて、躊躇ったようにゆるりと顔を上げると、そのまま…きゅっと目を瞑った。
(――え?)
 長い睫が、白い頬に薄く陰を落とす。
 袖を掴んでいると必然的に、すぐ側にティニーはいて、少し屈めば届く距離。

 これは、都合のいいように解釈していいんだろうか?

 セティはごくっと喉を鳴らした。
 今度こそ、周囲に人気はなく、他の家族は全員家の中。邪魔者はいない。
 まして、ティニーからこんなことしてくれるのだから、有り難く戴いて悪いわけもない。
 セティは捕まれたのとは逆の手を持ち上げて、ティニーの肩に回した。
 愛しい彼女の顔を間近で見つめてから、最後に自分も目を閉じた。




「…そりゃ、いくらティニーだって、あそこまですれば気付くわよねぇ」
 夕闇の中でそっと重なった影を、自室の窓からのぞき見していたのは、
 本当は誰より兄想いの可愛い妹。…のはずだけれど、戻ってきたらなんと言って冷やかしてやろうかと、野次馬根性もたっぷりだったりするのだった。